腰痛と同時に気持ち悪い!と吐き気を訴えるケース
腰痛と同時に「気持ち悪い」と吐き気をうったえるケースがあります。
通常、腰が痛いという腰痛だけを訴える場合、筋肉の強張りや痛み、腰周辺の骨の異常を疑うでしょう。
ところが、腰痛はさまざまなケースが存在します。
たとえ最初の症状が腰が痛いだけであっても、内臓疾患による腰痛の場合、「気持ち悪い」「吐き気」という症状を伴うことが良くあるのです。
吐き気を伴う腰痛から考えられる疾患
吐き気をともなう腰痛には様々ありますが、代表的なものをいくつか並べてみます。
腎不全
腎不全は文字通り腎臓が機能しなくなる病気です。
血液中の老廃物を「ろ過」してくれる腎臓が機能しなくなれば、身体にドンドン老廃物が溜まります。
結果として、手足にむくみが生じたり、腰痛や吐き気などが起きることがあります。
主な症状として、吐き気を伴う腰痛、食欲減退、集中力の低下、また体中の痒み等が挙げられます。
腎盂腎炎
腎盂腎炎は、腰痛と寒気(悪寒)のページにも記載していますが、大腸菌など細菌感染によって腎臓に炎症が起きる病気のことです。
主な症状は、腰部やわき腹の鈍痛、血尿、悪寒、高熱、体の震えなどの症状が現れることもあります。
悪化した場合、異常な血圧の上昇、激しい頭痛に見舞われることもあります。
知らずに放置しておくと尿毒症などにかかる恐れもありますので注意しましょう。
尿路結石
尿が通っていく尿管に、結石という固形物が詰まってふさがれてしまう病気です。
腰痛や背中の痛み、発熱や血尿も見られますが、吐き気を伴うことも多いです。
結石が尿管内を移動することで突然の「激痛」に襲われますが、結石が動かないと痛みが治まったりするのが症状の特徴です。
月経前症候群(PMS)
月経ですから、もちろん女性だけの病気です。
月経前3~10日間ほどの精神的、身体的症状で、月経が始まると同時に症状が消失するのが特徴です。
この病気の原因にはいろいろと説がありますが、実際はまだハッキリと分かっていません。
現在考えられているのは、黄体期(排卵~月経まで)に分泌される「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」によるものです。
これが、黄体期後半に急激低下し、脳内ホルモンや神経伝達物質に何らかの異常を起こすことが原因という説です。
しかし、それ以外の原因からも起きると言われています。
月経前症候群(PMS)も、腰痛と吐き気が起きることがあります。
主だった症状としては、腰痛や吐き気、腹痛、頭痛、食欲不振、手足のむくみ、お腹が張る、乳房が張るなどの身体症状。
また、倦怠感、目まい、抑うつ、情緒不安定、睡眠障害というような精神症状に現れることもあります。
腰痛と吐き気が一緒にやってきたら?
いくつかの「腰痛に吐き気がともなう病気」を並べさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
前述しましたように、皆さんが一般的に考える腰痛は、腰周辺の筋肉の強張りや腰椎や頸椎という「骨の異常」というケースが多いと思われます。
しかし、腰痛に吐き気が伴う症状の場合、そういった一般的な腰痛とはかけ離れた危険性をはらんでいる可能性があります。
今回ご紹介したもの以外にも、腰痛と吐き気が同時にやってくる病気はたくさん考えられます。
もしも、思い当たる症状があるのであれば、軽視することなく、速やかに病院へ行き診断してもらうことをおススメいたします。